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Anda

  • tfm2agu
  • 2021年10月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年11月26日

<ギャラリー出展作品>


G11「​​泡(あぶく)と金雲」

価格:30,000円(税込)

メディア:キャンバスにアクリル・ボールペン

サイズ:33.3×24.2cm、290g

作者コメント:

「川や海のあぶくは澱みのように汚く湧いている場合があります。その泡と金色の雲を合わせ、本来汚いものを美しく昇華する事は出来るのかという試みで描きました。」


青紫色の水面にピンクやミントグリーンの泡と金色の雲が浮かんでいる。作者は、はじめ綺麗な泡(あわ)を何気なく描いていたという。それが色を重ねるたびに濁っていく様子から海や川の泡(あぶく)が連想され、両者を対比させるコンセプトに変化した。海と空・美醜・光と闇といった相反する概念が1枚の絵に同居し、常に移ろいゆく水の中で相対化されている。

 従来の価値観では美とされてこなかったもの、不揃いのものに美を見出すという視点ではフランス・ロマン主義文学に通じる要素がある。さらに川の水面に金色が映える様子は宮沢賢治の『やまなし』にある「小さな錐の形の水晶の粒や、金雲母のかけらもながれて来てとまりました」という一文を彷彿とさせ、文学的な情景を感じられる作品といえる。

 金粉は制作の中盤以降にふりかけられ、それまで油彩絵の具のテカリのみだったキャンバスの表面が様々な方向から見るたびに輝き、鑑賞者が実際に現物を見たとき一番美しく光るようになっている。



<オークション出展作品>


A11「recent micro-refreshing sea of trees」

​メディア:キャンバスにアクリル・ボールペン

サイズ:53.0×43.5cm、499g

作者コメント:

「昨今のコロナ事情から、人間が抑制されて自然の免疫が働いているような印象を覚えました。今の生活だけ見ると不便ですが、地球の中の歴史にいる実感が湧いた体験だったので、記録に残すために爽やかに栄える樹海を描きました。」


コロナ禍において抑圧された人間社会とは対照的に、連綿と続く自然免疫の働きや生命の流転を樹海の清らかな色合いで表した作品。

 下地の段階ではメディウムを用いて表面の質感を作り、大きな刷毛で画面を大きく塗った後で溶き油を多く垂らし、ボールペンで何度も線を引くことで絶妙な色彩を引き出した。目の細かい網に絵の具をつけてこする事によって偶然発生した形を利用するモダンアートの技法「スパッタリング」で描かれた樹海からは、躍動する自然のダイナミズムを感じられる。

 新型コロナウイルスは多くの悲しみをもたらしたが、爽やかな樹海の色合いは見る者の心を癒し、もう1度自然と共に生きていこうという気持ちにさせてくれる。


 
 
 

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